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苧阪満里子 著


『脳のメモ帳 ワーキングメモリ』
――心のはたらきのキーワード


A5判208頁

定価:本体2500円+税

発売日 02.07.25.

ISBN 4-7885-0815-X

目次
1章 ワーキングメモリの成立
ワーキングメモリとはなにか/記憶のしくみ/短期記憶からワーキングメモリへ
2章 言語とワーキングメモリ
言語を支えるワーキングメモリ/ワーキングメモリの個人差とは
3章 ワーキングメモリを測定する
日本語のリーディングスパンテスト/リーディングスパンテスト遂行のエラーと方略
4章 ワーキングメモリと第二言語
第一言語と第二言語のリーディングスパンテスト/言語習得期間とワーキングメモリ
5章 加齢と発達
加齢とワーキングメモリ/発達とワーキングメモリ
6章 注意とフォーカス
文のフォーカス/リーディングスパンテストと文のフォーカス/視覚的世界とフォーカス
7章 ワーキングメモリの神経基盤
ワーキングメモリを支える脳/ニューロイメージによるワーキングメモリの神経基盤の探求
8章 言語理解の神経基盤
リーディングスパンテストの神経基盤/ワーキングメモリの個人差とその神経基盤/前部帯状回のはたらき/シータ(θ)波からワーキングメモリを探る
9章 ワーキングメモリのモデル
ワーキングメモリの脳内モデル/ワーキングメモリと自己意識
資料 リーディングスパンテスト(成人用)

◆解き明かされる脳のメモ帳のしくみ!◆

ワーキングメモリというのは、いわば脳のメモ帳で、ごく一次的に情報を蓄えておくこと。昔から、記憶には短期記憶と長期記憶があることは知られていましたが、言語の理解や推論など高度な認知的処理には、それ以外にワーキングメモリの働きを考えないと説明の出来ない現象がいろいろあることがわかってきて、脳科学や認知心理学の分野で大変注目を集めるようになってきました。本書は、そのワーキングメモリについて、心理学や医学の学生のために基本的な理論から言語との関係、測定法、神経的基盤まで、包括的にかつたいへんわかりやすく解説した、初めての本です。著者は、大阪外国語大学助教授。


◆本文紹介◆
私たちは会話をしたり本を読んだりあるいは計算をしたりよいうように、情報を処理しながら聞いたり読んだりした内容、あるいは計算した結果などの処理した内容を、ほんのわずかの間あけ覚えておかなければならない場面にしばしば出会う。そのようなさまざま場面で、目標に向かって情報を処理しつつ一時的に必要な事柄を保持する働きをしているのが、本書のテーマであるワーキングメモリなのである。
 ここで注意していただきたいのは、ワーキングメモリは情報を保持するだけでなく、すでに学習した知識や経験を絶えず参照しながら、目標に近づけるように、その過程を支えているということである。私たちの日常行動は、あることがらの記憶に集中するような場面よりも、他の行動をしつつ同時に記憶しなければならないといった並列処理を必要とする場面におかれていることがほとんどである。〈…中略…〉
ワーキングメモリは、さまざまな行動場面での情報処理の一時的な保持を担うことにより、情報の処理と保持の並列処理を支え、目標の達成に向かって行動を維持するのに重要な役割を果たすものである。



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