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A・ギャンブル 著/内山秀夫 訳


『政治が終わるとき?』
――グローバル化と国民国家の運命


四六判200頁

定価:本体1900

発売日 02.06.20

ISBN 4-7885-0813-3

◆ペシミズムを超えて
 政治がいかにも無力に見えます。冷戦構造が崩壊して歴史の終焉やイデオロギーの終焉が説かれるなか、ヴィジョンを喪失し、自己の利害と保身に汲々とする政治家たち。政治もまた終わりか? だが、ポストモダンが何をいおうと、政治は私たちを掴んで離さない。では今、政治にどんな未来があるのか? グローバリズムという運命、クローン人間誕生という科学技術の運命を国民国家は統御できるのか? 本書は、現代世界を拘束するこの運命の「鉄の檻」と政治との複雑な緊張関係を読み解き、この緊張関係からどのようにして運命論を克服し、グローバルな民主主義という新たな理念をどう構築するかを誠実に考えぬきます。

◆書評
2002年7月、出版ニュース

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◆目次
1 運 命
政治的なものの理念/権力・アイデンティティ・秩序/運命という理念/宿命としての運命/偶然性としての運命
2 歴史の終焉
歴史とポストモダニティ/アイデンティティ/歴史主義/イデオロギーの終焉/モダニティと歴史
3 国民国家の終焉
グローバル市場/地域主義/ネオリベラルなプロジェクト/ネオリベラリズムと国家/普遍主義に抗して
4 権威の終焉
伝統と社会/非伝統的社会/安全保障/科学
5 公共圏の終焉
政府の終焉/管理運営/公と私/市民参加の終焉/参加と説明責任/公益の終焉
6 政治
政治的なものの次元/運命をねじまげる/一次元的社会/グローバル市場/テクノロジー国家/政治の将来


◆本文紹介◆
もしも政治が終焉を迎えているとしたら、もしもそのことがわれわれの運命だとしたら、これはいったいわれわれに何を意味するのだろうか。近代では、政治はある場、すなわち、政治の基本的な疑問―われわれは誰なのか、われわれは何を手に入れるべきなのか、われわれはどのように生きるべきか―にたいする答えを追究する政治的な領域を創りだすことで、人間の社会にその運命をコントロールする力を与えることを約束した。このように理解された政治に含まれているのは、アイデンティティと献身、権力と資源、秩序とルールである。政治が発信しているのは、利益・イデオロギー・価値観の不断の衝突であり、それが政党と運動の対立、いくつもの社会・経済秩序原理からの選択、そしてそうした原理を実現する争い、を生み出しているということである。政治が対象にしているのは、公共の意志と公共の目的の形成、公益の決定、何を保守し何を改革すべきか、何が私であるべきか、そして社会をとりしきるルールである。しかしながら、こうした考えすべてを支えているのは、われわれとわれわれの社会はいったいどうなるのかを握っているのがわれわれ自身なのだ、とする信念である。(1運命 より)


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