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林 香里著

マスメディアの周縁、ジャーナリズムの核心
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A5判464頁

定価:本体5500円+税

発売日 02.06.15.

ISBN 4-7885-0809-5

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◆骨太な「ジャーナリズム原論」!
 かつて「ジャーナリズムこそが民主主義を守る」と言われましたが、今や表現の自由を守るのはマスメディアと思われているようです。そもそもジャーナリズムとマスメディアはどう違うのでしょうか。本書は、まずこのような根本的な疑問に、ルーマンのシステム論、ハーバーマスの公共圏論、デューイのパブリック理論など、従来のマスコミ論が及ばなかった理論面から答えます。そして、今日真のジャーナリズム精神が宿るのは、政治面や論説面ではなく、その周縁部分であることを、日本の新聞の「家庭面」、ドイツのオルターナティヴ全国紙『タッツ』、アメリカの「パブリック・ジャーナリズム」運動などの「周縁」的な試みのなかに探ろうととします。堅固な理論と地道なインタビュー・資料収集にもとづく骨太な「ジャーナリズム原論」の誕生です。

◆書評
2001年9月22日、朝日新聞
2001年12月30日、日本経済新聞、佐佐木幸綱氏評
2002年、週刊読書人、加藤春恵子氏評
2002年9月、出版ニュース、中川隆介氏評
2002年9月13日、週刊金曜日

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◆目次
序章 <マスメディア・ジャーナリズム>の矛盾と革新

第1部 大衆化とシステム化 マスメディアの実態
第1章 大衆化社会とジャーナリズム 「タブロイタイゼーション」論争の視点から
第2章 マスメディアの現実 ルーマンの社会システム論を手がかりに

第2部 ジャーナリズムの新しい可能性を拓く民主主義思想
第3章 対抗公共圏とオルターナティヴ公共圏 ポスト・ブルジョア社会の選択肢
第4章 「パブリック」温故知新  デューイの思想
第5章 コミュニタリアニズムからの問いかけ <マスメディア・ジャーナリズム>の思想性の検証
第6章 デリベラティヴ・デモクラシー 差異と共通善のポリティクス

第3部 マスメディアの周縁、ジャーナリズムの核心 ジャーナリズム再定義の運動
第7章 日本における新聞「家庭面」のジャーナリズム
第8章 『ターゲスツァイトゥング』の創刊とその現状
第9章 米国が生んだ「パブリック・ジャーナリズム」運動
第3部小括 異なる文化におけるマスメディアとジャーナリズムの相克

終章 現代社会における<マスメディア・ジャーナリズム>への展望


◆本文紹介◆
 マスメディアの周縁には、スポットライトを浴びていなくとも、さまざまなものが混在している。そのなかには誕生とともにすぐに消えていくものもあるが、周縁に踏みとどまって、しかも地道なジャーナリズムの活動を続けているものもある。そのような、類の周縁のマスメディア、つまり「小さなマスメディア」は、周縁にあるため影に隠れて見えにくい。しかし、そのだからといって中心から取り残された「残余範疇」としてひとくくりに見なされるべきではなかろう。私はこれまでの研究においても、メインストームな〈マスメディア・ジャーナリズム〉に対抗する、あるいはそれを補完する形のさまざまな周縁のジャーナリズムを取り上げてきた。ドイツの「ローカルラジオ」や「オープンチャンネル」の事例研究などである。その際、確認してきたのは、それらの存在は、いちおう「「マスメディア・システム」に属しているがために、時に経済的圧力にあえぎ、マスメディアの商業主義へと引きこまれながらも、メディア情況に多様性を与えてきたし、それ以上に、現代社会における「ジャーナリズム」という意識活動を支え、活性化させる、重要な現象だと言える。そしてこうした事例研究から私が考えるのは、「ジャーナリズムの意識とはむしろ、マスメディアの周縁に宿るのではないか」ということである。これが本書の中心的問題意識であり、それをテーゼとて具体例を通して深化させていきたい。

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