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李 敏子 著


「意味」の臨床
――現実をめぐる病理


四六判240頁

定価:本体2800円+税

発売日 02.05.17

4-7885-0803-6





◆心理療法で変わる---人生の見方
 カウンセリングを通して憑き物が落ちたクライエントたちは、異口同音にこう語ります……「何がなんだかわからないうちに治った」と。そして苦しかった頃のことを「あの時はなぜあんな事をしていたんだろう」と振り返るのです。一人ひとりの人生にこうした変化が生じやすいよう、居場所を提供することが心理療法の役割だといってもいいでしょう。----本書ではそのような視点から記憶や空想・夢といった〈こころの意味〉を整理したうえで、宗教や仕事など〈現実のいとなみ〉に踏み込みながら、臨床の立脚点を改めて考え直します。

◆書評
2002年12月5日、精神療法vol 28 no 6

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目次

まえがき

不確かな意味
第一章 意味が現実を作る
認知には意味が浸透している/妄想‐意味を見る、聴く/記憶の意味、あるいは意味の記 憶/記憶の病理現象‐さまざまな病理が生む記憶/感情が意味を与える
第二章 現実の遠近法
多元論的な現実‐心的現実と物的現実の二元論をこえて/空想と現実のかさなり/現実感 を失うとき/夢のような現実と、現実のような夢
第三章 臨床におけることばの意味
ことばの意味と限界/ことばの意味がわからない/正しい理解のために/生きるか死ぬか /どこから発せられているか/心理療法の場から

確かさを得るために
第四章 宗教の心理学的意味
信仰‐不確かな現実のなかで/迷信と信仰の心理学/情熱か恐れか/死の受容と希望/宗 教的要求と自己実現
第五章 こころの治療とは何か
神話を生きるとこと/病の意味 病の物語/自己とは社会的関係である/生きる意味‐い つ、だれにとっての?/内界と外界/ささやかな「私の仕事」−与えること

治療という現実
第六章 二つのこころが出会うとき‐転移と逆転移
治療者がおちいりやすい状態/クライエントからの配慮/辛抱強さとしがみつき/投影と 現実的基礎/恋愛性転移が生じるとき/複数の治療者で転移を取りあつかう/母子関係が すべてではない/過去を分析されても癒されない
第七章 共感のない解釈と、解釈のない共感
解釈は必要か/共感‐「わからない」と感じるとき/解釈が意味をもちには/共感のない 解釈/解釈のない共感/内容の解釈か、状況の解釈か/あるクライエントとの会話/体験 に意味を与える

あとがき