戻る

渡部信一著


『障害児は「現場」で学ぶ』 
――自閉症児のケースで考える


A5判160頁

定価:本体1700円+税

発売日 01.11.20

ISBN 4-7885-0784-6

◆amazon.co.jpへ

cover

◆紀伊國屋書店Books Web へ

◆育つ力は子どもたちの中で生まれる◆
 特殊学級ではなく、通常の保育園や幼稚園、小学校で学ぶ、障害を持った子どもたちが増えています。指導者の専門的な働きかけよりは、子どもたちの中で学ぶということの効果が見直されているのです。しかし、先生方からは、「障害児教育の訓練も経験もないのに、いったいこの子たちに何をしてあげればよいのか」という悩みが数多く聞かれます。親たちも不安や疑問が絶えません。本書は、自閉症のケースをつぶさにとりあげながら、子どものなかで学ぶとは、実際にはどんなことなのか、なぜ、それが効果があるのかを、丁寧に見てゆきます。読み終えた後には、きっと悩みや疑問に対する答えが見つかるでしょう。著者は、東北大学教育学部助教授。

◆書評
2001年12月14日、日本教育新聞

Loading

◆目次
1 自閉症とは、たとえば・・・・・・
2 子どもたちの中で偏食が改善する
3 わが子を「かわいい」と感じない
4 子どもはどのように学んでいるか
5 現場における「学び」の発見
6 自閉症児・晋平の幼い頃
7 晋平の「指書」と状況的学習論
8 状況の中で生まれる「学び」とは


◆本文紹介◆
これまでの障害児教育には、ひとつの原則がありました。個々の障害の特徴や障害の行程を考慮し、専門的な知識にもとづいた効果的な指導を、ひとつひとつ丁寧に、そして系統的に行わなければならない、というものです。今までずっと、この原則にしたがって教育が行われてきて、それなりの障害改善という実績を上げてきました。しかし、最近、学会や保育・教育の現場において、これまでとは少し違った考え方で子どもたちを育ててゆこうとする風潮が現れてきました。指導者の専門的な働きかけよりは、子どもたちの中で学ぶということの効果の方を重視しようとする考え方でです。…中略…
自閉症と診断された5歳の男の子、太郎。保育園に入園し、普通児の中で生活しています。
 私が保育園を訪れた日、彼は運動会の出し物である「太鼓踊り」を皆と一緒に練習していました。保母によれば、その日が練習初日とのこと。
 なんて上手に踊っているんだろう!
 私は、太郎が皆と一緒に踊っている様子を見て、そう思いました。私の目の前で踊っている太郎は、大学の訓練室で出会う彼とは別人のように思えたのです。…中略…
 《保母と一対一だったら、こんなに上手には踊れないに違いない。このざわめきこそが、太郎を上手に踊らせているのだ。大人ではなく子ども同士、一人ではなく大勢、これこそが太郎を上手に踊らせているのだ。》


designed & constructed by bizknowledge