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江種満子著


『大庭みな子の世界』
――アラスカ・ヒロシマ・新潟


四六判320頁

定価:本体3500円+税

発売日 01.10.20

ISBN 4-7885-0780-3

目次

火草(大庭みな子)への旅−序に代えて

第T部 外からの視座−日本の近代を超える その一
一「三匹の蟹」着床の場(一)−ウーマン・リブ前夜のセクシュアリティ
二「三匹の蟹」着床の場(二)−一九六〇年代の文学状況とジェンダー
三「三匹の蟹」の由梨
四「構図のない絵」−アメリカのなかの日本人女性、または人種・ジェンダー
五「火草」の世界−ネイティブ・ジェンダー・セクシュアリティ

第U部 内からの視座−日本の近代を超える その二
六『ふなくい虫』と『浦島草』のあいだ
七曖昧さを味わう(作者への返信に代えて)−『ふなくい虫』の「異母弟妹」をめぐって
八『浦島草』の物語系
九『浦島草』、または里に住む山姥
一〇『浦島草』と蒲原小作争議−「番頭」の末裔たち
一一大庭みな子と西条(東広島市)

第V部 自由へ−内でもなく外でもなく
一二『寂★寥★』−結婚神話を超えて
一三『海にゆらぐ糸』−生きた年月と自由
一四 私小説の愉しみ−『海にゆらぐ糸』

大庭みな子研究の動向
大庭みな子 略年譜
あとがき

◆内と外から日本の近代を問う◆

女性作家・大庭みな子氏がアラスカ在住中に日本の文学界へデビューを果たしたのは一九六八年、三八歳の時でした。ゆきずりの男と一夜を過ごし平然と朝帰りする主婦を、アラスカの自然を背景に描いた『三匹の蟹』は、七〇年代ウーマン・リブとフェミニズムの嵐を予告する衝撃的な作品でした。その後一転してヒロシマ、新潟へ創作の視点を移し、被爆と小作争議という史実を踏まえ、戦争を女性の立場から鋭く描いた小説『浦島草』で頂点をきわめた大庭氏は、その後も旺盛な創作活動を続けて現在に至っています(代表作は講談社学術文庫に収録)。本書はネイティヴ・ジェンダー・セクシュアリティを読解の軸にすえて、二〇世紀後半の日本女性文学の最高峰というべき大庭文学のフェミニズム的世界を鮮やかに開示しています。


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