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発達臨床研究会/保育士心の発達研究会編


『岡宏子と考える保育の科学』
――理論と現場の循環のために


A5判224頁

定価:本体2400円+税

発売日 01.07.10.

ISBN 4-7885-0768-4

目次
第1部 岡宏子の講義 保育士のために
第1回 総論 「歪み」と「偏り」としての発達
「歪み」と「偏り」としての発達/全五回の構成と内容/発達はデコボコである/私はどのように育てられたか/性差と発達/発達としての歪みと発達阻害としての歪み/保育士も発達する 第2回 現代の子どもの問題
障害のなかの保育/目の輝きはどこから生まれるか/近感から遠感へ/体験が脳を活性化する/私はどのように育てられたか/しつけをどう考えるか/考える体制づくり/相手の痛みが分かるとは/家族に代わる保育の機能
第3回 子どもたちが育つ環境
都市化のなかの乳幼児/自然環境と子ども/「海と太陽と子供達」/環境と子どもをつなぐ人/遺伝と環境の相互作用/「人」環境の行動学/私の生育環境/環境と育てる作用
第4回 育てる作用とは何か
育てる作用とは何か/子どもは育てる作用をどう受けとめるか/ダニ、ヒト、チンパンジー/保育者のあける穴/穴のあけ方を変える/因果関係は単純ではない/保育者の育てる作用、関わる作用
第5回 保育とは何か
意欲を育てる作用とは/保育の意味を変えた0歳保育/関わりをどう拡散させてゆくか/子どもを駆りたてないこと/意欲を削る代行機能/個人差を読む/保育所と児童福祉
第2部 人との関わりに歪みをもつ子どもと出会ったとき
はじめに 歪みとは何でしょう
1章 人とうまく関われない子どもに目を向けましょう
2章 子どもを取り巻く環境に目を向けましょう
3章 歪み行動の変容をみましょう
4章 記録について考えましょう
おわりに 十余年にわたる研究に参加して

◆看板教授の講義が本に!◆

岡宏子は聖心女子大学の看板教授でした。同大学に心理学科を創設、長く乳幼児研究に携わりましたが、その学問の特色は、心理学を現実との生き生きした対話のなかに開放し、育児・保育の現場と密接な関わりをもち続けてきたことにあります。教授が保育士の求めに応じて行なった講義は、かれらが日々直面する問題の核心を衝く英知に満ちていて、聴くものすべてを魅了しました。本書はその講義全5回と、この講義に触発されて保育士たちが実践のなかから開発した、保育の基本問題へのアプローチの懇切な解説を収めま した。一般のお母さんたちにも読みやすい、平易で、貴重で、ユニークなテキストです。

◆本文紹介◆
今日は2回目で、現代の子どもたちの抱えている問題を考えてみたいと思います。先の総論でお話したような発達の考え方からすると、現代の子どもたちの特性と言われているものは、発達の偏り、つまり発達そのもののなにかにある偏りなのだろうか、それとも歪みなのだろうか、あるいは障害なのだろうか、ということを考えてみたいと思います。
 …中略…
子どもが育ち損なっているとはどういうことか、家庭に代わるとはどういうことか。本当は家庭のなかで、親が近感によってとらえられる安定感を子どもに与え、今度はそれを遠感によってとらえたものにおきかえる関係を成立させたうえで、保育園に連れてくればいい。ところがそれが出来ていない状態で保育園にくる、そこで、親と同じような格好をした皆さん方がニコッとすると、それにこういう安定を求める。当然だと思います。だから、そういう考えで一人一人の子を見ていき、この発達、外界をとらえて安定するという発達が、1人1人どういうキャリアをもっているか考えましょう。(第2回より)

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