戻る

井上信子著、神田橋條治対話


『対話の技』
――資質により添う心理援助


A5判300頁

定価:本体2800円+税

発売日 01.3.15

ISBN 4-7885-0757-9

◆amazon.co.jpへ

cover

◆紀伊國屋書店Books Web へ

◆神田橋マジックの奥義を明かす
 音に聞くカリスマ精神科医が積年の経験から紡ぎ出した〈対話精神療法〉……それは数多ある西洋の治療技法を換骨奪胎し、日本文化に合わせ工夫を重ねて編まれたものです。精神医療領域で多くの支持を集めてきましたが、これまでは主に重篤な疾患を対象として受け容れられており、残念ながらまだ広い臨床現場には浸透していないかもしれません。――本書ではこの対話精神療法のエッセンスと実践例を、初学者に解りやすく説き、名匠の技が一般カウンセリングや教育相談にまでも活かされるよう懇切丁寧に導きます。心理援助の第一人者が「こころのケア」に携わるすべての人へ贈る待望の書!

◆おもな著作
『精神療法面接のコツ』岩崎学術出版社、1990.9、46判258頁・本体価格\3,000
ISBN:
『精神科診断面接のコツ 追補』 岩崎学術出版社、1994.8 、46判256頁・本体価格\3,000
ISBN:4-7533-9408-5
『精神科養生のコツ』岩崎学術出版社、1999.5、46判222頁・本体価格\3,000
ISBN:4-7533-9902-8
『発想の航跡 神田橋条治著作集』岩崎学術出版社、1998.3、神田橋 条治編〔著〕 A5判508頁・本体価格\8,000、ISBN:4-7533-8813-1

◆関連書
対話の世界
対話の調

Loading

目次

まえがき
はじまりの対話

第一部 資質を生かすことと援助すること

第一章 言語的感性と情熱の発露を支える
ある学校嫌いの子 対話その一
第二章 運動力の発言を保証する
脱毛症児との遊び療法から 対話その二
第三章 多彩な資質の開花を見守る
アイデンティティ確立への挑戦 対話その三
第四章 自己洞察から自己形成への課程に添う
成人女性の訴えを手がかりに 対話その四

第二部 育つことと育てること

第六章 自分への価値感情を育てる
仮面自己からの脱出 対話その六
第七章 子どもが挫折したとき
不登校女子中学生の挫折とよみがえり 対話その七
第八章 自尊心と友達関係
自我を育てる 対話その八
第九章 自分の得意に気づかない子
資質の暴発 対話その九

第三部 対話するふたり

第十章 出会いと開花
対話 その十

あとがき


◆本文紹介◆
 対話的精神療法は、心理学的にはフロイト理論を基礎においてクライエント理解を試みる。しかし、それを実在するものとは考えず、メタファー・暗喩としてとらえ、必要があれば「譬え」としてクライエントに伝える。

 そのメタファーとして扱うということは、人間の精神活動にいかに影響するだろうか。―貯金箱に毎日、百円ずつ貯金してきて辛気くささを感じている人や、問題集を解きながらそれをじれったいと思っている人に、「チリも積もれば山となる」というメタファーを与えるとしよう。するとそれは、その人に自分がやっていることの位置づけの認知を与えることになる。
 たとえばA子にもその可能性があるが、父親に認められたい一心で頑張りつづける女児のクライエントには、エディプス・コンプレックスの存在が推測されることがある。その子は、息切れしてやめたいのに努力を止められない自分に、こころが曇っている。そのとき〈お父さんとお母さんは中がいいということは、子どもにとって安心なことでもあるし、淋しいことでもあるよね〉というメタファーを伝えるのは、その子が直面している課題に関して構造化された認知を与えることになる。そしてそのメタファーは、クライエントに呈示されるとともにカウンセラーと共有され、対話も、構造化されるのである。

designed & constructed by bizknowledge