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竹内 洋著


大衆モダニズムの夢の跡
―― 彷徨する〈教養〉と大学


四六判320頁

定価:本体2400円+税

発売日 01.5.8

ISBN 4-7885-0756-0

◆マス・インテリの栄枯盛衰◆
 知識人はもう要らない?! 「教育改革」の大合唱をよそめに少年問題・学校破綻は進む一方。ものものしいお題目が現場に活きることは、まずない、という不信感はますます募ります。そのようななか、わが国の教育はこれまで何を目指して来て、そこで育まれた風土がいまの日本をどう形づくっているのか? 新世紀はどこに向かうのか? を静かに見つめなおすことが緊要でしょう。本書は、読みやすいエッセイスタイルで、大正・昭和のエリート像から〈教養主義〉の高揚と衰退を描き、現代の〈大学知〉の閉塞感、〈子供教育〉の戸惑いを大胆に喝破してみせます。自称インテリの御仁がたへ贈る、愛の一刺し。

◆著者紹介
1942年新潟県生まれ。京都大学教育学部卒業。現在、同大学教育学部教授
『日本のメリトクラシー 構造と心性』
東京大学出版会、1995.7 A5判270頁・本体価格\4,200 ISBN:4-13-051106-8

◆著書
『立身出世主義 近代日本のロマンと欲望』(NHKライブラリー64)
日本放送出版協会、1997.11
文庫332頁・本体価格\1,020 ISBN:4-14-084064-1
『立志・苦学・出世 受験生の社会史』(講談社現代新書1038)
 講談社、1991.2 新書205頁・本体価格\660 ISBN:4-06-149038-9
『パブリック・スクール 英国式受験とエリート』(講談社現代新書1134)
講談社、1993.2 新書195頁・本体価格\640 ISBN:4-06-149134-2

◆訳書・編著
『近代日本の上流階級 華族のエスノグラフィー』
タキエ・スギヤマ・リブラ著 竹内 洋、海部優子、井上義和訳 世界思想社、2000.8
A5判332頁・本体価格\3,200 ISBN:4-7907-0822-5
『教育現象の社会学』 (Sekaishiso seminar)
竹内 洋、徳岡 秀雄編 世界思想社、1995.3 B6判280頁・本体価格\1,893 ISBN:4-7907-0545-5

◆書評
2001年7月15日、毎日新聞、山内昌之氏評

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◆本文紹介◆
学歴貴族末裔たちと学歴貴族文化の軋みがでてきたのが、一九六〇年代後半からである。一九六〇年代後半は、すでにみたように、大学進学率が急上昇し、日本の高等教育がエリート段階からマス段階になったときである。
 この結果、学歴別新規就職者に占める大卒者の割合も急上昇していく。学歴別別新規就職者で中卒者より大卒者が上回るのが一九七一年である。ピラミッド的な学歴別労働者市場が崩壊しはじめる。学歴貴族末裔を含めた大卒者のただのサラリーマン化が進行し、誰の目にもわかるようになった。サラリーマンは、「職員」(身分)としてのサラリーマンから「大衆」サラリーマンに変貌した。
 「大衆」サラリーマンとは、経営幹部予備軍として補充されるわけではなく、一般職員として補充され、下位の職位に超期間滞留し、徐々に昇進していくサラリーマンである。こうなってくれば、身分的特権を前提にした戦後民主主義の担い手や企業内改革の士などという学歴貴族の戦略の底がぬけてしまう。(「教養の終焉」より)

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