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天貝由美子著


『信頼感の発達心理学』
――思春期から老年期に至るまで


A5判186頁

定価:本体3200円+税

発売日 01.2.28

ISBN 4-7885-0753-6

目次

まえがき

第1章 信頼感とは
はじめに/第1節 信頼感に関する従来の心理学的研究/第2節 本研究の目的/まとめ
第2章 信頼感尺度の作成
はじめに/第1節 信頼感にかかわる実態調査/第2節 信頼感尺度の作成と信頼性・妥当 性の検討/まとめ
第3章 信頼感と他のこころの心理的特性との関連
はじめに/第1節 中・高校生の生活感情の中での信頼感の位置付け/第2節 中・高校生 における教育臨床的視野から見た信頼感の位置付け/第3節 信頼感が高校生の自我同一 性に及ぼす影響/第4節 信頼感が青年期から老年期にわたり自尊感情に及ぼす影響/ま とめ
第4章 横断的にみた信頼感の発達
はじめに/第1節 中学・高校生・大学生の信頼感の特徴/第2節 成人期から老年期にわ たる信頼感の変容/第3節 10代から80代以降にわたる信頼感の発達的変容/まとめ
第5章 信頼感の発達に影響を及ぼしている要因
はじめに/第1節 高校生の信頼感に影響する要因の探索的検討/家族および友人からのサ ポート観の影響/まとめ
第6章 信頼感の発達モデルの作成
はじめに/第1節 研究のまとめと信頼感の発達モデルの作成/第2節 信頼感の生涯発達 的援助/今後の課題
第7章(補章) 幼児期における信頼感の発達
はじめに/信頼できる人・できない人の理解の変容

◆気鋭の本格的研究◆

いじめや殺人、あるいは援助交際等など、青少年の問題行動の背後には、自己や他者への信頼感の欠如、不信があるといわれます。では、信頼感とは何か、それを形成する心理的因子は何か、それはどのような条件の下で発達し、強化され、あるいは不信へと転化、阻害されるのか。精緻に設計された調査、データの綿密な分析によってこれらの問いに実証的に答え、そこから、信頼感の発達をいかに援助すべきかを提言します。重視されながら研究の乏しかった、思春期以後における信頼感の発達と真っ向から取り組んだ、若い著者の新鮮な研究です。平成十二年度科学研究費助成出版。




◆本文紹介◆
従来、信頼感の問題は、乳幼児期の母子関係を中心とした視点から、また児童期においてはある人の行動を「信じるか信じないか」というような社会的信用の視点からしかとりあげられなかった。
 しかし、最近では、信頼感の研究は、人々の精神的健康を高め維持する効果や、ストレス耐性の強いパーソナリティとの関連という視点でとらえられるようになってきた。また、信頼感の獲得は、青年期におけるカウンセリングで特に必要とされることも指摘されている(e.g.Mitchell,1990)
 このように、環境からの影響をある程度主体的に選択できるようになる思春期。青年期が、信頼感獲得の促進にたいする臨床的援助、またはそれに関する教育的示唆を明らかにすることは非常に有用である。しかしながら、このとらえどころのない゛信頼感"という概念をとりあげ、実証的に検討した研究は皆無といっていいだろう。
 本書はこの信頼感という概念について、その意味を探り、我々のこころなかでの信頼感の位置づけと人の生涯にわたる位置づけを解明しながら、信頼感を自分自身で形作っていける要因について、明らかにしていこうとするものである。

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