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井上真・宮内泰介編


シリーズ環境社会学 2
『コモンズの社会学』
――森・川・海の資源共同管理を考える


四六判264頁

定価:本体2400円+税

発売日 01.03.25

ISBN 4-7885-0748-X

◆目次
「シリーズ環境社会学」刊行のことば(鳥越皓之)
序 章 自然資源の共同管理制度としてのコモンズ(井上真)
第1章 「みんなのもの」とは何か―むらの土地と人(藤村美穂)
第2章 山村の暮らしから考える森と人の関係―雪国における森林利用とその変容(田村早苗)
第3章 白神山地と地域住民―世界自然遺産の地元から(土屋俊幸)
第4章 コモンズとしての「水辺」―手賀沼の環境誌(菅 豊) 
第5章 石垣島白保のイノー―新石垣空港建設計画をめぐって(家中茂)
第6章 住民の生活戦略とコモンズ―ソロモン諸島の事例から(宮内泰介
第7章 コモンズとしてのサシ―東インドネシア・マルク諸島における資源の利用と管理(笹岡正俊)
第8章 熱帯林の保護地域と地域住民―インドネシア・ジャワ島の森(原田一宏)
終章 地域住民・市民を主体とする自然資源の管理(井上真)
編者あとがき/入手しやすい基本文献

◆失われた自然をとりもどす◆

破壊された自然環境を人間の手でどのように再生することができるでしょうか。日本はもちろん、近代化・開発によって森林が急激に失われつつある熱帯諸国では事態はさらに深刻です。コモンズとは、森、川、海などかつて人間が生活のよりどころとし、ほかの生物と共生してきた自然環境を総称する言葉です。社会の慣習に埋め込まれてきた環境保全のしくみを日本各地(白神山地、手賀沼、石垣島など)、インドネシア、ソロモン諸島などのフィールドワークから掘り起こし、森林や水辺の破壊を食い止め再生するために必要な理論と方策をさぐります。

◆本文紹介◆
「参加型〜」という言葉が流行している。しかし、自然資源管理への参加というのは、地域住民による生存権・生活権の回復、あるいは市民による公共利益を享受する権利の保全、といった文脈で語られるべきものである。労働者として地域住民を雇用しているから参加型アプローチをとり入れています、というのはあまりにも皮相的であり、あまやかしである。
 われわれの目指すべき道は、このような視点を持ちつつ、地域住民・市民が主体の自然資源管理にあり方を探っていくことである。その際、行政との関係のあり方、つまり距離に留意する必要があるだろう。日本のこうがちや熱帯林問題における行政の対応の歴史から学ぶならば、持続的、一体的協力関係というニュアンスが強い「パートナーシップ」よりも、むしろ複数の主体が対等な資格で、具体的な課題達成のために行う非制度的で限定的な協力関係ないし共同作業をさす「コラボレーション」の方が、住民・市民と行政との関係にふさわしい。地域住民、市民、行政、企業の間で是々非々的な距離感覚を大事にした自然資源の共同管理を実現することが理想像である。


◆書評
東京新聞 2001.4.29 紹介
沖縄タイムス 2001.4.15 松島泰勝氏評

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cover

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