戻る

小熊英二著


インド日記 牛とコンピューターの国から


四六判400頁

定価:本体2700円+税

発売日 00.07.10

ISBN 4-7885-0728-5

◆著者の本
単一民族神話の起源
〈日本人〉の境界
〈民主〉と〈愛国〉
戦争が遺したもの
対話の回路

cover


◆インドを通して、日本が見える
 インドで日本史を教えるという体験をもとに、多くの人が神秘の国として憧れるインドを、先入見に惑わされることなく自分の頭と体で受け止めて、そのつど発信したメール通信です。国際会議で「下手な英語」を駆使して「ヒンドゥー教徒になるにはどうしたらいいのですか」と問うて民族のアイデンティティについて深く考え込ませたり、スラムにミュージシャンとして乗り込んで子どもたちとダンスを踊るなど、興味深い体験が満載された痛快インド日記です。何より重要なのは、そのような記述を通じて、「日本とは何か」「日本の近代とは何だったのか」を考えさせてくれることです。

◆書評
2000年7月27日、毎日新聞、川村湊氏評
2000年8月3日、東京新聞夕刊
2000年8月6日、京都新聞
日本経済新聞 2000.8.20 特集 あとがきのあと
2000年9月19日、エコノミスト、伊藤和史氏評
2000年10月、STUDIO VOICE、永瀬 唯氏評
2000年10月、原子力eye
2000年10月、望星、丸山 純氏評
2000年10月、論座、与那原 恵氏評
「ハイファッション」 2000.10月号 紹介
2000年10月8日、朝日新聞
2000年11月10日、クロワッサン、平松洋子氏評
2001年1月28日、沖縄タイムス、謝花勝一氏評

Loading

目次
第一章 「インドの右翼」
第二章 デリーで日本史
第三章 博物館は国家の縮図
第四章 映画・フェミニズム・共和国記念日
第五章 農村のNGO
第六章 カルカッタ
第七章 僧との対話
第八章 聖都ベナレス
第九章 学校見学
第十章 ビジネス都市バンガロール
第十一章  観光地ケーララ
第十二章  国境の町
第十三章  スラムでダンス
あとがき

◆「著者あとがき」からの引用
「本書は、私のインド滞在の日記である。2000年の1月から2月にかけて、国際交流基金の専門家派遣事業でインドのデリー大学に行き、 中国・日本研究科の客員教授として日本近代史を講義した。私は二ヶ月の滞在のあいだ、デリーをはじめインド各地を回り、近代日本 の歴史を講義して回った。その間の経験や観察、あるいは現地の人びとと話したことを、日記にしたためたのである」

「おりしも、インドは高度経済成長とグローバリゼーションに揺れ、急速な社会の変化や価値観の動揺、そして右派ナショナリズムの 台頭に直面していた。本書でも記したように、現在のインドは「コンピュータ・カフェの門前に牛が立ち、お寺が最新式の音響システ ムを使っている」といったかたちで、古いものと新しいもの、伝統と近代が入り混じった状態にある。インド人にむかって近代日本の 歴史を描いてみせ、その反応を聞くという経験もさることながら、こうしたインド社会の状況も十分に刺激的なものだった」

「日記である以上、統一された主題というものはない。しかし書いたことは、結局のところ、日本にいたときから私が抱いていた関心 の延長に位置する。その関心とは、社会の変動と近代化のなかで、人間がどのように自己の位置とアイデンティティを定めてゆくのか、 またそうした人間のつくる社会のあり方はどのようなものなのか、その場合に国家と人間はどのような関係を築いてゆくのか、といった ものである」

「従来、私は近代日本の民族論やマイノリティの問題から、こうしたテーマを論じていた。本書でもインドのナショナリズムやマイノ リティ問題にしばしば言及しているが、日々の体験から書くという日記の脈絡のなさゆえに、より多様な角度からアプローチしている。 たとえば地域の自立性、伝統や宗教のあり方、文化の相互影響や革新、テクノロジーと社会変動、社会階層と意識などといったものが挙 げられる」

「もっとも本書は、あくまでも日記である。研究書という形態ではなく、こうしたテーマを日々の出来事から語ることになったので、 読みやすいものになっていると思う。読者は、目次や本文中の小見出しなどをガイドに、それぞれの関心にそって、どこからでも自由 に読んでいただければ幸いである」


designed & constructed by bizknowledge