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(00.06.20.)
4-7885-0722-6

目次
第一部 神仏の声
T仏を呼ぶ声‐阿弥陀仏よや、をいをい
U託宣としての鳴動‐〈神〉の声
第二部 生者の声
V笑う声‐笑話の位相
W市の声‐市の文芸、文芸の市
第三部 死者の声・魔の声
Xものいう髑髏‐魔の転生
Y百鬼夜行の声‐スペンサー本『百鬼夜行絵巻』から
第四部 説話のうた
Z月のねずみ考‐歌のことば
[木こりの歌‐今様と説話
\〈声〉をめぐる断章‐「あとがき」にかえて
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四六判
256頁
定価2520円(税込)
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聞く力を失った現代人に贈る
説話は、歌と同様、まず第一に声によって人に語りかけるはずです。しかし 音声にかかわる表現媒体でありながら、説話研究は従来、音声をほとんど無視してきました。本書は、『今昔物語』『宇治拾遺物語』などの中世の説話 のなかに響く〈声〉に耳を傾けることで、仏を求める悪人の声、託宣に響く神の声、都市の闇にひそむ物音、市の喧噪と猥雑、髑髏の声、絵巻のなかの 化け物の声など、さまざまの〈声〉を拾い出し、説話の発生する現場、歌の発生する現場に降り立とうとします。説話研究に新局面を拓く野心作です。
◆書評
「週刊読書人」2000.9.29 三浦佑之氏評
「国文学 解釈と鑑賞」2000.12月号 錦 仁氏評
「國文学」2001.3月号 保立道久氏評
「立教」2001.春 細川哲士氏評
◆本文紹介◆
他人ではなく〈他者〉の声をもっと聞きわけたい。たとえば、自然の音ではなく、自然の〈声〉を。木立のゆらぎそよぐ音ではなく、木々が発する〈声〉を聞いてみたい。…中略…説話はそういう〈声〉にかかわるだろう。動物や植物など生きとし生けるものの声を聞くことができた(と想定される)過去への限りない愛惜、憧憬の思いが説話=物語を生み出す。死者やま魔物、異界や異形のものに対しても同様であろう。異界に限らず世界すべての声をいかに聞くことができるか。聞く側からすれば、声は自己の内なる声も含めて、すべて〈他者〉のそれである。声そのものが他者であり、それによっていやおうなしに自己は関係づけられ、相対化されてしまう。説話が世界の〈喩〉として生成し、世界を媒介するとすれば、声=〈他者〉は必須の媒体であり、今までの説話論が〈声〈の問題に無頓着でありすぎたともいえよう。かの後白河院『梁塵秘抄』の編纂で、「声わざのかなしきこと」と、音声が消えてしまうことへの限りない愛惜を示すように、もっと〈声〉を聞き分けていきたい。(「声をめぐる断章}より)
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