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黒崎 宏著


ウィトゲンシュタインが見た世界

――哲学講義


四六判216頁

定価:本体1900円+税

発売日 00.06.20

ISBN 4-7885-0721-8

あなたにとって世界とは?

ウィトゲンシュタインは今世紀最大の哲学者です。『論考』によって世界は すべて解き明かされたと考えた彼は、莫大な父の遺産をすべて人に譲って地 方の小学校の教師になります。しかし自分の「誤り」に気づくとすぐにケン ブリッジ大学に入り直して、『探究』などの実り多い成果を上げます。生き 方そのものがあまりに「哲学的」な、その生涯にも言及しながら、彼の言語 ゲーム一元論、人生論・宗教論、そしてほとんど論じられることのなかった 科学論を取り上げて、彼は世界をどのように見ていたのかを探ります。ウィトゲンシュタイン研究の第一人者による、講義をもとに平易に書かれた「哲学入門」です。


◆本文紹介◆
「時々ウィトゲンシュタインは゛W”をドイツ語流の”V”ではなく、英語化した柔らかい音にして、『ウィトゲンシュタイン、ウィトゲンシュタイン、ウィトゲンシュタイン、お前はナンセンスを語っている』と言って、自分の額を強く叩いたものだ」。これは、イギリスの哲学者スチュアート・ハンプシャーの証言である。もっともウィトゲンシュタインは、実はドイツ人ではなくオーストリア人であり、生粋のウィーン文化の中で育ったのであって、したがって彼の母国語は実はドイツ語ではなく、オーストリア語であり、あえて言えばウィーンの言葉であったのである。したがって彼は、イギリスにいたから―或いはイギリスに帰化した(一九三九)から―英語化した柔らかい音にして「ウィトゲンシュタイン」と発音したのではなく、もともの柔らかく「ウィトゲンシュタイン」と発音していたのであろう。(「Tウィトゲンシュタインという哲学者」より)


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◆目 次◆

T ウィトゲンシュタインという哲学者
U 前期ウィトゲンシュタインにおける人生論・宗教論
1独我論的世界像/2哲学の諸問題/3哲学の正しい方法/4沈黙の思想
V 後期ウィトゲンシュタインにおける言語負荷性の思想
1思想・意図/2感覚・感情/3知覚/4行為/5世界像
W後期ウィトゲンシュタインと宗教
Xウィトゲンシュタインの科学論
Y科学論‐物質科学による人間理解の可能性
1科学の分類/2科学の方法/3科学的世界/4生活世界/5反‐人間機械論
あとがき


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