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アルケール・ロザンヌ・ストーン 著 半田智久・加藤久枝 訳


電子メディア時代の多重人格

欲望とテクノロジーの戦い


四六判304頁

定価:本体2800円+税

発売日 99.9.30

ISBN 4-7885-0693-9

インターネットは人間性を変えるか?
インターネット、ケイタイ、ヴァーチャルリアリティなどの電子メディアの到来とともに、これまでの社会や人格が静かに解体しはじめました。たとえばインターネットは世界中に情報を開放するメディアとなる一方で、現実の人間関係とは隔離された関係を発展させる場ともなりました。人々は自分の身体や地理という制約にとらわれない、これまで気づかなかった多重な感情や欲望に目ざめたのです。著者は言います、ヴァーチャル時代、人が確固としたアイデンティティをもてた無邪気な時代は終わり、欲望とテクノロジーとのあらたな戦いが始まったのだと。それはどんな戦いなのか、興味深い例を縦横に引きながら、繊細かつ大胆に描いてゆきます。著者は、テキサス大学インタラクティヴ・マルチメディア研究所助教授。

◆書評
1999年11月、出版ニュース11月中旬号
1999年12月、月刊アスキー
1999年12月、サイアス
1999年12月24日、週刊金曜日

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◆目 次◆
序章 生と死と機械装置 、あるいは人工補完への私の恋
第1章 集合構造
第2章 あやうい自己たち−オシュコシュの町でみたアイデンティティ
第3章 目新しい状況にて−女装の精神科医
第4章 再発見と出会い−理論のために一息
第5章 エージェンシーと近接性−コミュニティ/コミュニツリー
第6章 無邪気さの終わり、その1‐アタリラポ/サイバーの夜明け
第7章 無邪気さの終わり、その2‐ウェルスプリング・システムズでのサイバーの夜明け
第8章 結論−ヴァンパイアのまなざし
訳者あとがき

文献


◆本文紹介◆
本書をつらぬくキー概念のひとつは訳語上「人工補完」としたが、プラスセティック(prosthetic)という概念である。長く医療分野でつかわれてきたこの小むずかしい言葉は、その世界では補綴とか補形と表現されている。言葉自体はきわめて非日常的だが、その意味するところは、たとえば義歯や義肢などで人工的に身体機能を補完することである。今日、日々の暮らしにおいて口や目のなかに、あるいは顔面の前にプラスセティックの世話になっていない成人を探すことはかなり困難である。…中略… 本書はじめの方にラップトップコンピュータと一体になったホーキング博士のようすが語られるが、いまやその姿は街の一般的な風景である。クジラは何キロも先にいる見えない仲間と会話をするというが、今日の私たちも人工補完具を携帯することで、そんなあたらしい感覚能力にとりつかれつつある。その結果、私たちは自分の身体の居場所と同時に別の空間にも現前するという忍者感覚を常態的に持つようになった。(「訳者あとがき」より)


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