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ジーン・エイチスン 著 今井邦彦 訳


ことば 始まりと進化の謎を解く


四六判452頁

定価:本体3800円+税

発売日 99.7.25

ISBN 4-7885-0685-8

◆目 次◆
はじめに
第一部 謎
第1章 生まれつきの好奇心
第2章 奇妙な習性
第3章 バベルの塔の混乱
第4章 独自の任務
第二部 起源
第5章 家系図
第6章 放浪する心
第7章 破れた空気
第8章 小さな始まり
第三部 進化
第9章 第二のことば
第10章 ことばの塔
第11章 タイム・トラベル
第12章 公海上で船を修理する
第四部 拡散
第13章 拡がる環
第14章 隠れた中核
第15章 本物の魔術師
第16章 虹の織りをほどく
第17章 果てしのない階段
参考文献


才気あふれる入門講義
かつてある国でことばの起源の研究が禁止されました。あまりに荒唐無稽の仮説や思いつきが氾濫したからです。この事実は、ことばの起源問題が人々の知的好奇心にとっていかに魅力的かを示しています。さて、今では脳研究や人類学、動物との比較研究や進化学、ピジン、クレオールなどの研究が大きく進展して、ことばの起源と進化のプロセスはしだいに明瞭になってきました。本書は、その波乱に満ちた過程をヴィヴィッドに描き出し、説得力に富んだ見方を提出しています。行間にあふれる絢爛たる才気、高度の知識を分かりやすく説く話術の冴えが読者を魅了する、イギリス有数の言語学者の傑作です。


◆本文紹介◆
人間は類人猿のいとこであり、その子孫ではない。人類が類人猿とたもとを分かったのはおそらく六〇〇万年以上昔である。現世人は進化の結果二〇万年前ごろに登場した。現在の言語が出現したのはもっと遅く、一〇万年ぐらい前だと思われる。
 人類は,大地溝帯がアフリカを二つに分けた頃に類人猿と分かれたと考えられる。類人猿は気楽に木から機へ渡り歩いていた。ヒト科の方は、過酷な風土の中で、適応し、死肉を食べ、自らの知恵で生きなければならなかった。ある時点でヒトは言語を発達させた。人類は「アフリカに源をもつ」という仮説は、ミトコンドリアDNAと血液型から証拠立てられる。
 言語の起源に関しては、急激な発達(手品のウサギ)説の支持者も、長期(カタツムリの塀登り)説の提唱者も、完全に正しいとは言えない。言語の出現はたき火のようなものだったと考えられる。初め(二五万年ほど前)はゆっくりと、次いで急速な発展(一〇万年ほど前)に移り、そしてしだいに落ち着いて長期にわたる安定的な輝きを得るに至ったのである。
 言語の胚子をもったグループは複数存在したものと思われる。だが本格的な言語は、他のグループより進化した言語を獲得した一つの小さな集団の中で発達したのであろう。このことがこの小集団の知恵を他のグループのそれより進んだものとし、他のグループはこの小集団からその言語を学んだものと考えられる。(「第5章 要約」より)


◆書評
北海道新聞 99.9.12 紹介
朝日新聞 99.9.19 西垣 通氏 気になる本
「英語教育」 99.11 若林茂則氏評
「言語」 99.11月号 有馬道子氏評
「サイアス」 99.11 紹介


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