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鍾 家新 著

中国民衆の欲望のゆくえ
――消費の動態と家族の変動


四六判224頁

定価:本体1900円+税

発売日 99.7.10

ISBN 4-7885-0680-7

◆パンドラの箱があいた!
 建国五〇周年、中国は今また歴史の転換期にさしかかっています。「改革・開放」の旗印のもと進められた経済の資本主義化は、社会の上層部から底辺の民衆まであらゆる層の欲望の爆発を促し、消費の膨張を招いています。一人っ子政策は家族のあり方を大きく変え、深刻な社会問題を生み出しています。民衆の欲望の果てに何があるのか? 二一世紀中国が直面する問題群とは何か?著者は中国の国費留学生として筑波大学大学院で学び、『日本型福祉国家形成と「十五年戦争」』(ミネルヴァ書房)で博士号を取得した気鋭の社会学者です。

◆書評
1999年8月、出版ニュース8月下旬
1999年8月10、エコノミスト
1999年9月、中国図書
1999年10月3日、週刊読売
2000年6月、アジア文化研究、小野寺照子氏評
2001年、社会学評論 Vol.52 no.1、若林敬子氏評

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◆目 次◆
はしがき
序章 中国国家発展戦略の転換
1財貨の再生産システム/2人口の再生産システム/3世界社会主義運動史上の意味

第一部 社会主義の消費社会化
第T章 民衆生活の変化
1消費生活および金銭観の変化/2交通とコミュニケーションの変化/3改革下の社会構造の特徴
第U章 偽物氾濫と信頼問題
1偽物氾濫の現状/2偽物氾濫の社会的要因/3信頼の問題

第二部 社会主義の家族変動
第V章 一人っ子と親たち
1溺愛の風景/2溺愛の深層心理と社会的背景/3政治的課題と伝統文化の変化
第W章 女の子だけを産んだ母たち
1差別・虐待されている現実/2差別・虐待されている要因/現実の暗示
第X章 宗教の紛争と自衛士としての男児
1宗教の紛争/2自衛士としての男児/3男児の価値
第Y章 客家人の「風水」信仰と宗教
1「風水」信仰の構造/2「風水」信仰の背景/3人間関係への影響/4「風水」信仰と「予言の自己成就」/5「風水」信仰と自然の共生
終章 二一世紀を左右する問題群
1農村幹部と権力/2社会統制の弱体化/3弱い男性群の結婚難/4社会主義社会における平等と差別/5社会主義社会と人間の欲望
あとがき


◆本文紹介◆
現段階の中国においては、「改革・解放」によって、社会が豊かになり、民衆の生活水準も高くなってきた。しかし、他方では、民衆の欲望はかきたてられ、欲望の満足度は、「改革・解放」前より低い。民衆は欲求不満の状態に陥っている欲望に基く民衆の行動は民衆自身の幸福と社会の協調的な発展にふさわしくない。民衆の膨張した欲望を一定程度に制限するため、法体系の充実以外に道徳倫理が必要である。そのため、社会主義と伝統分化は役立つ。民衆の欲望をいかに充足させ、自制させられるかは、中国政府にとって二十一世紀中国の存亡に関わる至上課題の一つである。(「はしがき」より)


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