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エドワード・デシ&リチャード・フラスト 著 桜井茂男 監訳

人を伸ばす力
――内発と自律のすすめ


四六判322頁

定価:本体2400円+税

発売日 99.6.10

ISBN 4-7885-0679-3




◆アメとムチはもう利かない!◆

人の意欲と能力を伸ばす力は何か? アメとムチというのが従来の常識ですが、近年の心理学の研究はこの常識を否定し、課題に自発的にとりくむ「内発的動機づけ」と、自分が自分の行動の主人公となる「自律性」の重要性を実証しています。では内発的動機づけと自律性はどうしたら伸びるか、その成長をたすける方法は何か。説得的な事例に富み、研究成果への柔軟で深い洞察、現代社会の鋭敏な観察から書かれた本書は、自己の成長を願う人々はもとより、成長をたすける立場にある親や教師、カウンセラー、管理者にとって、人間観がひっくりかえされるような読書経験となるでしょう。

WHY WE DO WHAT WE DO, The dynamics of personal autonomy, 1995. First Published by G.P.Putnum's Sons, New York

◆書評

2013年4月、企業と人材vol46

2013年9月、日経ビジネスAssocie

2015年10月18日、読書を仕事につなげる技術

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◆目 次◆
第1章 権威と服従

第T部 自律性と有能感がなぜ大切なのか
第2章 お金だけが目的さ
第3章 自律を求めて
第4章 内発的動機づけと外発的動機づけ
第5章 有能感をもって世界とかかわる

第U部 人との絆がもつ役割
第6章 発達の内なる力
第7章 社会の一員になるとき
第8章 社会のなかの自己
第9章 病める社会のなかで

第V部 どうしたらうまくいくか
第10章 いかに自律を促進するか
第11章 健康な行動を促進する
第12章 統制されても自律的に生きる

第W部 この本で言いたかったこと
第13章 自由の意味
訳者あとがき
引用文献
索引


第1章 権威と不服従(より一部抜粋)

 生活にはストレスとプレッシャーがつきものだ。多くの人びとがなんとかそれから逃れようとして、無責任な行動に走っている。彼らは疎外され不満を抱いている。こうした兆候は無数に見られる。家庭で、街で、至るところに暴力がはびこっている。学校では逸脱行動が手に負えない。インサイダー取引や価格操作は、いまやあたりまえだ。肥満や拒食も流行に近い。払いきれない負債を背負い込む人もいる。
 無責任な行動には高い代償がともなうが、それは当人ばかりでなく身近な人々にもふりかかる。親が無責任なら子どもに高いつけがまわる。経営者や医者や教師の無責任は従業員、患者、生徒に高い代償となる。生活のストレスやプレッシャーをうまく処理できないと、ほかの人たちの生活にストレスやプレッシャーをかけることになる。
 現代に生きるほとんどの人にこうした状況があてはまる。まるで世界の統制のタガがはずれたかのように感じて、みんなうんざりしている。この状況を押さえ込み、しつけて、周囲の無作法な人間をもっとまともに行動するようにしたいと願っている。こうした願いはもっと責任ある行動をせよ、問題は道徳にある、いまや統制を強化するときだ、と叫ぶ著述家や政治家の声とこだまする。
統制するというのは安易な答えである。報酬を約束したり罰するぞと脅せば、違反者を従わせることができると考える。いかにも力強く響くし、何かが道から外れてしまったと思っているがそのことを考える時間もエネルギーもなく、何かをするしかないと考える人たちを安心させる。
 統制を求める声にもかかわらず、・・・・・・
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