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小熊英二 著

単一民族神話の起源

〈日本人〉の自画像の系譜


四六判464頁

定価:本体3800円+税

発売日 95.7.10

ISBN 4-7885-0528-2




◆サントリー学芸賞受賞
大日本帝国時代から戦後にかけて,「日本人」の支配的な自画像といわれる単一民族神話が,いつ,どのように発生したか。民族の純血意識,均質な国民国家志向,異民族への差別や排斥など,民族というアイデンティティをめぐる膨大な言説の系譜と分析。

書評
1995年8月10日、産経新聞、山中速人氏評
1995年8月20日、朝日新聞
1995年10月22日、朝日新聞、小松和彦氏評
1996年2月、日本歴史
1996年3月、頓智、井上章一氏評
1996年10月30日、SPA!
1996年11月6日、第18回サントリー学芸賞、青木保氏評
1997年1月、日本史研究
1997年2月3日、産経新聞、イアン・
1997年12月、ダヴィンチ、呉智英氏評
1999年6月7日、JapanMailMedia、村上龍氏
2003年12月12日、朝日新聞
2003年、反骨の精神
2007年2月18日、東京新聞

◆著者の本

<日本人>の境界

インド日記

〈民主〉と〈愛国〉

戦争が遺したもの

対話の回路

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目次 序章
問いの設定/「単一民族神話」の定義/社会学と歴史学

第一部 「開国」の思想
第1章 日本民族論の発生―モース・シーボルト・小野梓ほか
欧米人学者の日本民族論/日本の人類学と欧米人学者への反発/ナショナリズムの二つのかたち
第2章 内地雑居論争―田口卯吉・井上哲次郎
モデルとしてのアメリカ合衆国/海外進出は不可能/「日本国民の同化力」
第3章 国体論とキリスト教―穂積八束・加藤弘之・内村鑑三・高山樗牛ほか
国体論の隆盛/キリスト教系知識人の反論/同化政策か純血維持か/追いつめられる国体論
第4章 人類学者たち―坪井正五郎ほか
純血論への批判/世界への進出
第5章 日鮮同祖論―久米邦武・竹越与三郎・山路愛山・徳富蘇峰・大隈重信ほか
天皇家朝鮮渡来説/「島国根性」と「南種北種」/「故郷」への進出
第6章 日韓併合
新聞での論調/主要雑誌の論調/国体論者の転向

第二部 「帝国」の思想
第7章 「差別解消」の歴史学―喜田貞吉
被差別者への共感/差別解消としての同化/「四方の海は皆同胞である」
第8章 国体論への再編成―国体論者の民族論
国体論の混乱/混合民族論のとりこみ/「養子」としての異民族/「開かれた血族団体」
第9章 民族自決と境界―鳥居龍三・北一輝・国定教科書ほか
民族自決論の中和/鳥居龍蔵の日本民族起源論/教科書の変遷/「朝鮮人の名を前部日本名に変ずべし」
第10章 日本民族白人説―ギリシア起源説・ユダヤ起源説ほか
「落胤」としての日本民族/あるボランティア
第11章 「血の帰一」-高群逸枝
詩人から古代史へ/母系性と異民族同化/「世界の家族化」

第三部 「島国」の思想
第12章 島国民俗学の誕生―柳田国男
先住異民族としての「山人」/「山国」から「島国」へ/国民統合としての民俗学/「有りもせぬ全体」
第13章 皇民化対優生学―朝鮮総督府・日本民族衛生協会・厚生研究所ほか
純血な島国/皇民化政策を支える混合民族論/厚生省と優生学系勢力/純血と総動員の矛
盾/単一民族人類説の台頭/「混血ニ対スル処置ヲ講ズベシ」
第14章 記紀神話の蘇生―白鳥庫吉・津田左右吉
大陸の分裂・島国の団結/記紀は史実ではない/単一民族の記紀解釈/権力支配としての中国/権力無き天皇国家
第15章 「血」から「風土」へ―和辻哲郎
北種と南種の総合/自然児の世界/複合的な単一風土/国境をこえない天皇制
第16章 帝国の崩壊―大川周明・津田裁判ほか
戦時期の混合民族論/純血論の台頭/ダブルバインド状態
第17章 神話の定着―象徴天皇制論・明石原人説ほか
農業民の世界/国民統合の象徴/明石原人説/単一民族論に傾く戦後歴史学/受容されなかった騎馬民族渡来説/忘却された混合民族論

結論
社会学における同化主義と人種主義/「日本人」概念について/近接地域・同人種内の接触/家族制度の反映/保守系論者の単一民族論批判/神話からの脱却

あとがき


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